地球交響曲第六番

地球交響曲第六番

2006年12月 Dolby SR

「全ての存在は響き合っている」

最近のめざましい科学の進歩によって、この宇宙の全ての存在は、ミクロの原子から私達人類、自然、銀河系まで、みな独自の“音楽”を奏でていることがわかってきました。我々が住むこの世界は、生々流転する全ての存在が互いに響きあい、次々と美しいハーモニーを生みだしつつ演奏されてゆく、壮大な交響曲(シンフォニー)のようなものなのです。ところが最近、調和を乱す“楽音”が聞こえるようになりました。我々人類が発する“楽音”です。不協和音が発せられ続ければ、交響曲(シンフォニー)は当然調和を失います。今、我々に早急に求められているのは、自分以外の存在が奏でる“音楽”を聴く耳をもう一度開くことです。内なる音楽を聴くことは外なる音楽を聴くことであり、外なる音楽を聴くことは内なる音楽を聴くことです。「第六番」はこの世の全ての存在をつなぐ耳には聴こえない音楽“虚空の音”を描き出したいという想いでつくりました。「音を観て、光を聴く」旅、それが「地球交響曲第六番」の旅です。(監督 龍村仁)

出演者について

ラヴィ・シャンカール(シタール奏者)
1920年インド・ワーラーナシー生まれ。若くしてヨーロッパ文明の洗礼を受け、17歳の時インドに帰って7年間、師に全てを捧げる苛酷な修行生活を送り、常にインド数千年の叡智に立ち還りながら、西洋近代文明との橋渡しを続けて来た。60年代、モントレー、ウッドストックなどのフェスティバルに出演。ニューエイジの若者達から圧倒的な支持を受ける。ビートルズの故ジョージ・ハリスンは、シャンカールの音楽に触れ、一介の弟子となる。74年インド音楽の原点に回帰する運動を開始。以後、世界の音楽家、政治家、経済人とも交流を深める。バイオリンの名手、故ユーディ・メニューインは、彼のことを「20世紀最大の楽聖」と評した。

ケリー・ヨスト(ピアニスト)
1940年米国アイダホ州ボイジ生まれ。6歳よりピアノを始める。アイダホ大学で音楽と哲学を学んだ後、南カリフォルニア大学大学院でピアノを専攻。87年、チャネル・プロダクションを設立。デビュー・アルバム『Piano Reflections』を発表。幼い頃から大自然の山や川、森や湖との超越的な交感を何度も体験した。有名になることも、喝采を浴びることも求めず、ただひたすらピアノの中から“光の音”を紡ぎだすことに全霊を捧げてきたケリーの生き方が、そのまま、優しさと気品にあふれたピアノ音楽となって私達のもとに届けられる。アイダホの自然と環境の保護運動においても中心的な役割を果たしている。

ロジャー・ペイン(海洋生物学者)
1935年ニューヨーク生まれ、ハーバード大卒、コーネル大学で“音で世界を見る動物”コウモリやフクロウの研究で博士号を得る。67年、初めてザトウ鯨と出会い、得意のチェロでその歌を採譜し、彼らが人間と同じ作曲法で歌をつくることを発見した。鯨と海の環境保護をすすめる団体、“Ocean Alliance”を設立。彼が提唱する鯨達の知力、知性に関する考察は、大きな反響を呼び、当時出版した『ザトウクジラがの唄』は世界中で1,050万枚を超える大ベストセラーとなった。調査船「オデッセイ号」に依る海洋調査航海は延べ100回を超える。

ポール・ウィンター(ソプラノサックス奏者) 友情出演
ロジャー・ペインの無二の親友。世界的なサックス奏者。87年にはロジャーと協力して世界的ベストセラーとなったアルバム「ホエールズ・アライブ」を発表した。「第六番」では、ロジャーがコネチカットのポールの自宅を訪れ、21世紀の新しいクジラの歌の作曲について話し合った。

アヌーシュカ・シャンカール(シタール奏者)
81年ロンドン生まれ、カリフォルニアで育つ。7歳からシタールを学び、西洋音楽とインド数千年の叡智を融合する新しい音楽を生み出し、今、世界的に注目されている。05年に発表した「Rise」はグラミー賞にノミネートされた。

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